四月中旬、静まり返った渓谷の木立も、山桜の薄紅により目をさまします。そして「緑」にこんな色があったのかと驚く新緑へ。五月、渓谷に蝉の鳴き声があふれだす頃、新緑は深緑へ。旧盆をすぎるころ秋風がたち、山の端の月が輝きを増しはじめると木立の緑は透けていきます。十月、与謝野晶子が「鳳凰が山を覆える奥信濃山田の渓の秋にあうかな」と詠ったように織りなす錦に覆われます。
 紅葉のにぎわいも束の間、やがて静寂が渓谷を覆い、風花が舞って、いちめんの銀世界へと雪に埋もれた音の無い世界へと変えていく。
  そんな季節のうつろいが間口十五間の外に展開し、まるで手にとるようにお楽しみいただけます。

 



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